一般社団法人廃棄物資源循環学会が主催する、
「第33回廃棄物資源循環学会研究発表会」が宮崎大学にて行われていました。
(2022年9月20日~22日)
そこで、太陽光パネルのリサイクルに関する研究も発表されていましたので、ご紹介します。
研究テーマは「情報プラットフォームの活用を想定した廃棄太陽光パネルの最適回収システムの探索と効果推計」です。
福岡県内で排出される廃棄太陽光パネルの回収に対して、情報プラットフォーム(以下、PF)を活用することによって複数の拠点を一度に共同で回収するケース(共同回収ケース)と、同じ拠点を個別に回収するケース(個別回収ケース)を設定し、輸送費用を算出することで、その効果を検証する研究が行われました。
結果としては、個別回収を行う場合に比べ、共同輸送、つまり、情報PFを活用することを想定した回収システムのほうが経済面において十分に効果があることが示唆されました。
今後は、静脈サプライチェーンにおけるコスト配分(または、利益配分)の観点から、情報PFの効果を検証することが課題であるとのことです。
以下、抄録より
近年、太陽光発電設備が大量に導入されているが、近い将来、点検・保守による交換および廃棄によって使用済み太陽光パネルが大量に廃棄されることが予想されており、その回収およびリサイクルシステムを確立することは喫緊の課題となっている。そこで本研究では、福岡県内で排出される廃棄太陽光パネルの回収に対して、情報PFを活用することによって複数の拠点を一度に共同で回収するケースと、同じ拠点を個別に回収するケースを設定し、輸送費用を算出することで、その効果を算出した。なお、リサイクル業者は現在稼働している施設の情報を参考に、北九州エコタウンと大牟田エコタウンとし、そこを拠点にそれぞれ北ルートと南ルートとした。メンテナンス業者は福岡県のデータベースを参考に37社と設定した。その結果、いずれのケースにおいても個別回収ケースに比べ、共同回収ケースを行ったほうが輸送費用の削減につながることがわかった。
<参考URL>
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsmcwm/33/0/33_91/_article/-char/ja