ネクストエナジー(長野県駒ケ根市)は8月11日、使用済み太陽電池モジュールのリユース・リサイクルに関する実証事業を開始すると発表しました。協力企業はイー・アンド・イー ソリューションズ(東京都千代田区)、丸紅(東京都千代田区)、三菱総合研究所(東京都千代田区)です。使用済み太陽電池モジュールの効率的な回収、適切なリユース・リサイクルを目的とした情報管理プラットフォームの構築を目指します。
事業概要
これは、環境省の「令和3年度資源循環に関する情報プラットフォーム実証事業」の公募により、採択を受けた内容です。
使用済太陽光パネルの効率的な回収、適切なリユース・リサイクルを目的とし、ブロックチェーン技術を活用して、使用済パネルの情報管理を行うプラットフォーム(以下、情報PF)を構築し、トレーサビリティや情報の非改ざん性の検証のための実証を行うものです。
具体的には、構築する情報PFにて太陽光パネル排出時からリユースに至るまでの取扱履歴、検査情報、リユース可否判断並びにリユース品の購入時に必要と考えられる情報を具備し、情報PFを構築することで法規制に則した使用済パネルの管理、デジタルプラットフォーム化、データの一元化/可視化を図ります。
期待される効果
情報管理PFにより使用済み太陽電池パネルの情報を適正に管理することが可能となり、リユース取引の活性化やリサイクル促進に寄与し、原材料の循環利用、産業廃棄物の埋立処分量の削減に繋がることが期待されます。
また、リユースパネルが新品太陽電池パネルの代わりに使われることにより、太陽電池パネル製造時に排出されるCO2排出量も削減され、環境面で多岐に亘る効果が期待できます。
令和3年度資源循環に関する情報プラットフォーム実証事業とは
ちなみに、「令和3年度資源循環に関する情報プラットフォーム実証事業」の公募概要とは以下の内容です。
環境省では、循環型社会と低炭素社会の統合的実現に向けて、資源循環分野におけるデジタル技術を用いた情報活用によるトレーサビリティ付与やコミュニケーションの促進機能に着目した、資源循環に関する情報プラットフォームの有効性を検証すること」を目的として公募を実施しています。
国内の資源循環においては、リユース品としての価値や、有用な金属等による価値を更に有効活用できる余地があると考えられ、主に回収・リユース・リサイクルに関する経済性や、技術的な課題などを改善する必要があるものの、使用済製品の機能、有用金属等の含有量、リサイクルの忌避物質などの資源循環に有用な情報をつなぐことで、更なる有効活用の可能性があります。
一方で、近年、AI、IoT、ブロックチェーンなどのデジタル技術が急速に進展しているところ、これらの技術はトレーサビリティや情報を元とした関係主体間のコミュニケーションの促進機能に大きな特性があります。こうしたデジタル技術を活用することで、情報のやりとりの拡大を通じて、使用済製品や有用金属等を国内で効率的に回収し、リユース・リサイクルの促進や、それに伴うCO2 削減につながることが期待されます。
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