■概要:
資料は、総務省が将来の大量廃棄も見据え、パネルの適正な廃棄処分等が行われているか、現場の実態を調査し、勧告された環境省や経済産業省の改善措置状況を取りまとめたものです。内容について、下記にまとめました。
<調査の背景>
・2030年代半ば頃から使用済パネルの排出量が急増の見込み
・将来の大量廃棄の問題のみならず、現下においても、災害により損壊したパネルによる感電や有害物質流出のおそれなどが指摘
・パネルには、有害物質(鉛、セレン等)が使用されているものもあり、適正な廃棄処理が必要
■主な勧告事項:
1.感電等の危険性やその防止措置の確実な実施等について周知徹底
⇒主な改善措置状況
<環境省>
◎平成30年の災害に際しても、 関係都道府県に対し、損壊パネルによる感電等の危険性についての地域住民等への注意喚起などについて、市町村・事業者への周知を求める通知を発出
(注1)大阪府北部を震源とする地震、平成30年7月豪雨 等
※通知は下記URLのようなかたちで出されており、内容については、感電の防止、破損等による怪我の防止、水濡れ防止、立入の防止について具体的な防止策が記載されています。
http://www.env.go.jp/recycle/waste/disaster/h30gouu/04_180706_solar.pdf
◎平常からの備えを一層推進するため、平成30年12月、環境省ガイドラインに、損壊パネルの取扱い・留意事項等を追記するなどの改訂・公表を行い、地方公共団体・関係事業者団体に周知
2.有害物質情報を容易に確認・入手できる措置、排出事業者から産廃処理業者への情報提供義務の明確化、適切な埋立方法の明示
※パネルの有害物質情報は排出事業者から産廃処理業者に十分提供されず、含有の有無が未確認のまま、遮水設備のない処分場に埋立てされており、有害物質が流出する懸念がありました。
⇒主な改善措置状況
<経済産業省>
◎業界団体が作成・公表したガイドライン(平成29年12月)に基づき、パネルメーカー等が有害物質情報を積極的に開示していくことをアクションプラン(平成30年5月中間整理(第1次))に盛り込み。メーカー等29社がウェブサイトで開示、平成29年国内出荷量の約7~8割に相当。引き続き、業界団体を通じた働きかけを実施。
<環境省>
◎平成30年12月に改訂・公表した環境省ガイドラインにおいて、以下を明示・明確化
①メーカー等による有害物質含有に関する情報提供の必要性・方法を明示
②排出事業者等から産廃処理業者への有害物質含有情報の伝達に関する関係者の役割を明確化
③使用済パネルを埋立処分する場合、おおむね15cm以下に破砕等した上で管理型処分場に埋め立てることを明示
3.使用済パネルの回収・適正処理・リサイクルシステムの構築について、法整備も含め検討
⇒主な改善措置状況
<環境省>
◎平成30年7月、安定的なリサイクル状況の整備等を満たした、円滑・効率的なリサイクル・適正処分に係る制度の早期導入について公表
※経済産業省における太陽光発電設備の廃棄等費用の確保が担保される仕組みの検討とも連携
<経済産業省>
◎同月、エネルギー基本計画を閣議決定、法整備も含めた検討、パネルの適正処理の確実な実施を明記。また、廃棄等費用の積立計画・進捗状況の報告を義務化・公表(注2)。平成31年4月、WGを立ち上げ、積立ての具体について検討
(注2)FIT制度における調達価格に廃棄等費用が計上されている10kW以上の太陽光発電設備について義務化(平成30年7月)、発電事業計画に係る情報の公表の対象である20kW以上のうち同意があったものについて公表(平成31年3月)
<環境省、経済産業省>
◎今後も、自主的なリサイクルの実施状況や諸外国の動向を踏まえ、法整備も含め継続的に検討
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