福島県、リサイクルの共同事業プロジェクトを立ち上げ

福島県は県内エネルギー需要の100%を再生可能エネルギーで賄う目標を掲げています。特に太陽光発電設備の出力量の累計が東北6県で9年連続トップとなりました。そこで、将来に備えて、ふくしまエネルギー・環境・リサイクル関連産業研究会は来月にも、リサイクルの共同事業プロジェクトを立ち上げます。企業間の連携の在り方などを検討し、太陽光パネル分野における課題解決につなげるということです。

福島県の太陽光パネルの導入量と廃棄予測

福島県の太陽光発電導入量は2013年度からは9年連続1位です。県が2012年度から実施している独自の県民支援策の影響もあり、導入が年々拡大。2021年度までの累計は259万4588キロワットに上り、2位の宮城県の約1・26倍にものぼります。

一方で、早ければ10~20年後にも使用済み太陽光パネルの大量廃棄時代が到来するとされ、専門家はリサイクルや廃棄処理が追いつかなければ放置や不法投棄につながりかねないと指摘します。

県内で2021年度までにFIT認定を受けた太陽光発電の出力量の累計259万4588キロワットについて、パネル1枚(約1・2平方㍍、約20㌔)当たりの平均出力量200㍗で単純計算すると、将来的に25万9458㌧の使用済みパネルの発生につながると推計される。寿命を迎える時期は製品によってさまざまで、災害や設備故障などで想定よりも前倒しで排出される可能性もある。

リサイクルの共同事業プロジェクトを立ち上げ

そこで、県や企業などでつくるふくしまエネルギー・環境・リサイクル関連産業研究では、リサイクルの共同事業プロジェクトを立ち上げることとなりました。企業間の連携の在り方などを検討し、太陽光パネル分野における課題解決につなげます。

会長の中村崇東北大名誉教授は「現状の体制では処理が追いつかなくなる可能性があり、パネルの放置や不法投棄にもつながりかねない。地域や素材に合った仕組みを考え、早急に整備する必要がある」としています。

排出される使用済み太陽光パネルをどう効率的に収集・運搬し、パネルの原料となるガラスや銅線などを再資源化するかが最大の課題です。南相馬市のリサイクル会社・高良は2021(令和3)年10月に太陽光パネルのリサイクル施設を本格稼働させ、1年余りで約2500枚を処理しました。施設をフル稼働させれば、年間で最大約6万枚、重量にして約1200㌧の処理が見込めるといいます。

しかし、太陽光パネルのリサイクルを担う企業は現在、県内に数社しかありません。民間企業だけでの対応には限界があり、官民連携によるパネルの収集や再利用体制の構築を求める声が上がっています。県の担当者は「構成団体間で知恵を出し合いながら、県内のリサイクル分野での産業化につなげたい」と準備を進めている。

 

<参考URL>

https://www.minpo.jp/news/moredetail/20230130104447

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